クオリフィケーションは、加速し続けるグローバル化に適応する為の必須ビジネススキルです。
みなさんは、「グローバル」という言葉にどんなイメージを持つでしょうか?
「グローバル企業」、「グローバルな人材」、「グローバル的な考え方」
近年では耳にすることもあるかと思います、
「グローバル」とは、「世界的規模であるさま」 そう訳されています。
つまり、グローバルな人材と言うと「日本ではなく海外に出て働くような人」をイメージする人も多いのではないでしょうか?
世界を見ても、島国である日本は、海外をはじめ異文化との交流に鈍感であり、なかなか自ら踏み込んで行こうとはしない傾向にあります。
しかし、現代日本においては必ずしも海外に出ていく人だけがグローバルだとは限らないのです。
今では日本国内においても、グローバル化の波が押し寄せつつあります。
海外に出ていく人だけではなく、国内にとどまっていたとしても、世界との競争が既に始まっているという事実。
世界中のあらゆる人材が日本へ仕事を求め、流入してきています。
つまり、採用、評価、実績など様々な面において日本人同士、同年代同士での競争ではなく、世界中のあらゆる人材、あらゆる年代の人がライバルとなりうるということです。
そんな加速し続けるグローバル化の社会において、世界との競争の中で生き残り、優秀な人材として活躍するための能力を身につける必要があります。
その能力を身に着けるための考え方を「クオリフィケーション思考」と呼びます。
見出し
クオリフィケーションとは?
そもそも「クオリフィケーション」という言葉は聞きなれない人も多いはず。
辞書によると、
1、合格基準に達した試験もしくは完遂した教科やコース
2、ある特定の仕事や業務に必要とされるスキルや経験
3、使用時の効果を限定した主張に加味する情報
4、試験合格、トレーニングコースの満了、業務で必要な一定の基準に達している、協議に参加するなどの事実
個人がどんなスキルや資格をもっているのか。そんな意味になっています。
池田鉄平氏著の「クオリフィケーション思考」に、これからのグローバル社会を生き抜くための心得が記されています。
本書におけるクオリフィケーションとは
相手がどの国の人であっても、ビジネスパーソンとして評価され必要とされるための「資質」「市場価値」
そう定義されています。
つまり、日本国内だけの古い慣習や、年功序列制度により誤って評価された能力ではなく、これからのグローバル社会において、対等に渡り合える能力や価値を身につけることが大事だと。
誰からも好かれる人格はもちろん、考え方や文化の違う人たちを率いて問題を解決し成果をだす能力、自分の信頼を担保してくれる素晴らしい人脈なども、自分の価値を上げ評価を得るための重要な要素です。
今までの日本の慣習は通用しない
日本においては、言葉や行動にせずとも察する文化が根付いています。
しかし言葉も文化も異なる海外の人が相手なら、そんな文化は全く通じません。自分の主張や考えをはっきり伝えることができなければ、満足な人間関係など築けないでしょう。
それは年代、生まれ育った環境が異なれば、日本人同士でも言えることです。
相手に評価を求めるのではなく、自分の価値を自分で高め認めてもらうことが大切です。
その為に必要なクオリフィケーションを高める方法を本書では「4C」として説いています。
世界で通用するクオリフィケーションを上げるための「4C」
本書における、「クオリフィケーション思考」の基盤として以下の4つの考え方が推奨されています。いくつかご紹介します。
・Core attitude (コア アーティチュード)
働く姿勢・心構えを変えて、クオリフィケーションを高める
常識を疑い、常に「なぜ?」と自分に問いかける
もし、多国籍の人とともに仕事をするようになったとしたら、「期日を守らない」、「考えが伝わらない」そんなことは日常茶飯事です。
そんな時、日本人の常識で考えるのではなく、状況に応じて対応できる柔軟性と決断力を持つ人こそ信頼を得られ、評価されます。
少なからず日本人で働いているときもそんな状況はあるはずです。
今までの日本だけの常識にとらわれず、広い視野と心を身に着けることが大事ですね。
失敗してもいい、起業家マインドがあなたを世界に近づける
日本においては、起業し失敗することは許されないこととされています。
失敗に寛容な社会ではないということ。そして、独立心の高い人は組織では扱いにくい人間だと判断されること。
ただ、それも日本国内における評価です。
海外においては、起業は仮に失敗したとしても、リスクを恐れないチャレンジ精神をもっていると評価に値します。
決して、日本国内の小さな考え方に迎合する必要はありません。
・Communication (コミュニケーション)
コミュニケーションを変えて、クオリフィケーションを高める
自分の意見を主張しないことはいないことと同じ
日本人は、自分の意見を述べるのを特に苦手とする人種です。
企業の会議などにおいても、しゃべっているのは、上層部の数人だけで、下にいる人たちは、プロジェクトの状況説明をするだけで、自分の意見や考えをいうはない、という状況がよく見られます。
情報や考えはすべて上から下へと流れているだけ、会議とはただの報告会と化してしまっています。
グローバルビジネスの業界では、
「インド人を黙らせるのと、日本人をしゃべらせること。これができたら一流である」と言われているそうです。
それほど日本人は自分の意見を言わないと思われているのです。
自分の考えはしっかりと伝えなければ、そこに存在している意味がありません。
どんなにやすくてもフィリピン英語は学ぶな
最近では、スカイプなどを用いた、インターネット経由のフィリピンじ英会話が人気ですよね。
短時間で格安で自分のライフスタイルに合わせて受講できると評判です。
しかし本書では、フィリピン英語を学ぶことは、クオリフィケーションを下げ、生涯年収を減らす可能性があると述べています。
フィリピン英語をはじめ、訛りのある英語とは、グローバルなトップエリートの中では言葉もきちんと扱えない教養のなさと受け取られます。
・Clarity&Manner (クラリティ&マナー)
見た目、立ち振る舞いを変えて、クオリフィケーションを高める
信頼は身だしなみから作られる
イギリスをはじめとするヨーロッパでは、いまだ階級制の文化が残っていますね。
そんな中で、身だしなみができていない人は階級の低い人と認識され、はじめから相手にされなくなってしまします。
日本では多少ヨレヨレのスーツを着ていてもさほど注意されることはないでしょう。
しかし、第一印象で評価を失ってしまってはなかなか評価を覆すことは難しいでしょう。
たとえ高価でなくとも正しい身なりを身に着けることはビジネスシーンにおけるマナーと言えます。
タバコを吸う人は出世できない
最近は、日本でも禁煙や分煙の意識が高まってきましたね。
しかし、日本はまだまだ甘く、欧米の有力企業のトップ500のうち2割弱が禁煙を社内ルールに課しているそうです。
「タバコは百害あって一利なし」という言葉があるように、吸わないほうが身のためだと思います。
副流煙による周りへの悪影響、ポイ捨てによる環境汚染、身体機能への多大なダメージ、ダメージによる医療費の増加、
タバコによるデメリットは挙げたらきりがありません。
喫煙者のいなくなる世の中を願います。
・Connection (コネクション)
人脈の築き方を変えて、クオリフィケーションを高める
人に会う時にはきちんとお金を使う
エグゼクティブの世界では、守銭奴は嫌われ、集まりに呼ばれなくなり、ビジネスチャンスを喪失してしまうと述べてられています。
これは海外ほどではないかもしれませんが日本においてもそうですね。
ようするに、せこい奴は嫌われます。
無駄遣いはだらしがなく見られますが、出すべき時に出さない人は、その段階で見限られています。
気づいていないのは本人だけ。
クオリフィケーション思考は今すぐ実践できる
これから海外の優秀な人材が日本に増えてくるのは確実なことでしょうし、特に今の若い人たちはそんな人たちとの競争に巻き込まれることでしょう。
今の日本人同士の、古い慣習や文化に従うことで会社からの評価は得られるかもしれませんが、グローバルな人材との競争には勝つことはできません。
今回「クオリフィケーション思考」の中から、気になった文章だけを抜粋して紹介しましたが、本書では著者池田哲平氏が実体験をもとに、より詳しい具体例と共に、これからの時代を生き抜く術がわかりやすく記されています。
これから海外での活躍を考えている人や、今の日本企業の在り方に疑問を持っている人にもおすすめです。
本書における「クオリフィケーション思考」とは、何も特別なスキルや技能を必要とすることではなく、日々の心がけの賜物です。
習慣を見直すことだともいえるかもしれません。
そしてそれは日々意識することで、誰でも身に着けられることです。
つまり、「クオリフィケーション思考」とは、今すぐ実践できることなのです。
「クオリフィケーション思考」を身に着けることは、きっとあなたのこれからのライフスタイルを充実したものへと導いてくれます。
ちなみに、本書にも書かれていますが、怒りに任せて行動することはビジネスの世界では軽蔑に値し、信頼を失います。
こちらの記事も参考までに。
ただ怒ればいいってもんじゃない。アンガーマネジメントの必要性
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