睡眠不足は、拷問にも匹敵する悪影響を及ぼします

呆然とする女性

 

突然ですが、拷問ってありますよね?

かつては世界各地で行われていた、相手を肉体的、精神的に追い詰め、重要な情報を聞き出したり、自白させようとするアレです。

今では世界的にもずいぶん少なくなりましたし、普通に生活していて、そんな経験がある人もいないでしょう。

しかし、現代で生活している人には、拷問にも匹敵するほどの、身体的負荷がかかっている恐れがあるのです。

それは、朝9時からの勤務時間です。

様々な職種がありますが、会社勤めに限らず、仕事をしている人の多くが、9時もしくはもっと早い時間から勤務開始しています。

「朝起きるのがつらいな、、、」とは思いながらも、特に疑問を感じることもなく、「今日も仕事行くか、、、」と重い身体を起こし毎日出勤していたことと思います。

そんな朝9時からの勤務開始という生活リズムには、思いもよらない負担が潜んでいるのです。

 

1、そもそも人間は朝9時から働くようにできていない

2、朝9時勤務による能率の低下

3、最適な勤務時間は?

 

ひとつずつ見ていきましょう。

 

 

その1、そもそも人間は朝9時から働くようにできていない

 

振り向く女の子

 

 実は、55歳以下の成人の身体には、9時~17時という勤務時間には適していなかったんです。

人体はそもそも日光に同調しているため、24時間サイクルで眠りと目覚めを繰り返すようにできている。

しかし、現代では、遅くまで脳をフル回転で働いたり、寝る直前まで明るい部屋で、強い光を放つテレビ、パソコン、スマホを使用している人が多いです。
本来ならば、日が沈むのと同時に、体内時計は徐々に睡眠へ向かって移行していくはずでありますが。

既に日が沈んでいるにもかかわらず、体内時計はまだ覚せい状態にあるんですね。

いざ寝ようと思っても、なかなか寝付けなかったり、浅い眠りになってしまうことになります。

現代ではそれが当たり前となっていて、知らず知らずのうちに体内時計がずれてしまっているんですね。

体内時計がずれた結果、日が昇ってもまだ身体が覚せい状態ではないまま、仕事を始めても最大のパフォーマンスを発揮できないのは、至極当然なことですね。

現代ではおよそ、7割の人が体内時計のずれを抱えたまま生活しているようです。

では、どれくらい仕事のパフォーマンス(能率)が低下するのか。

 

その2、朝9時勤務による能率の低下

 

全てを失った男

 

英オックスフォード大学の研究によると、午前9時から仕事を始めることにより、体調不良、疲労の蓄積、ストレスの原因となるそう。

本来の人間の生活リズムに適していない就業時間は、従業員の能率低下、気分、精神衛生を害する「深刻な脅威」なる。

始業時間を変更する事によるメリット

 ポール・ケリー博士は、人体の持つ本来の体内時計に合わせ、職場や学校などの開始時間を抜本的に改善する必要があると強く主張している。

人間の持つ体内時計に関する実験によると、小学生又は中学生では午前8時半前に授業に集中できる状態は整っていないという。

高校生では、午前10時、大学生では午前11時に授業を開始するのが最適であり、始業時間をずらすだけで、10%のパフォーマンスの向上が望めるという。

実際に、始業時間を8時30分から10時に変更が行われた学校では、それだけで最高成績が19%向上したという事実。

 

睡眠不足が蓄積されることによる、深刻な影響

現代のずれた体内時計のまま働くことは、失われた睡眠時間をごまかしていることにしかすぎない。

研究者は、

「刑務所や病院においても、囚人や入院患者は無理やり起こされ、食べたくもないのに食事が与えられます。まだ目が覚めていないので従順に従うことでしょう。ですが睡眠の剥奪は拷問です」

と述べている。

夜に6時間未満の睡眠しかとらない生活が1週間続くと、遺伝子機能に711個の変化が現れるという。

人体への影響として、パフォーマンス、注意力、長期記憶が低下し、薬物やアルコールへの欲求が高まる。さらに不安、欲求不満、怒り、衝動的行動、体重増加、高血圧、免疫の低下、ストレス、精神衛生の悪化にもつながる。

オックスフォード大学では、100校以上、数万人の子供を対象に、授業開始時間を10時からに変更する実験も開始されている。これは4年がかりでのプロジェクトとなる。

 

 

その3、最適な勤務時間は?

 

嬉しそうに寝そべる男性

 

 日本の勤務時間の例として、仮に市役所関連では午前8時30分から午後5時15分となっている。銀行では平日は9:00~15:00がほとんど。

利用者のニーズなども影響するとは思うが、あと1時間から1時間半ずつずらせば、より一層効率よく仕事ができるのではないかと思う。

現代の多様化するライフスタイルに合わせ、勤務時間の見直しがあってもいいのではないかと思う。

様々なしきたりや、暗黙の了解、常識と呼ばれるものががんじがらめになって、あらゆるところにひずみが生じているのではないかと思う。

見ないふりをして、それが常識だと、そうするのが正しいと、思い込ませ、悪影響を抱えたまま生活するのはおかしい。

悪影響を抱えたまま仕事、生活をするのは、非常にエネルギーを必要とすること。

その膨大なエネルギーを、既存の悪しき慣習を改善することに少しでも向けられたら、、、

悪しき慣習を否定することを、悪としない世の中になったらどれだけの人が報われるのか、、、

そんな日が来ることを願います。

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