ただ怒ればいいってもんじゃない。アンガーマネジメントの必要性

見つめる少年

 

人間誰しも、カッとなったり、イラッとするような怒りの感情が芽生えることはあると思います。

それはしょうがない事でありますが。怒りの感情をそのまま行動にして、大きな失敗をしてしまった経験はありませんか?

上司の理不尽な物言いに、ついカッとなって、よからぬことまで口走ってしまったり、

友人と口論になり、ひどく傷つけてしまったり。

やってしまったと後から反省しても、もう取り返しのつかない事態となっている場合もありますね。

そんな怒りの感情と、うまく付き合うための「アンガーマネジメント」

あなたも身に付けてみてはいかがでしょうか?

 

そもそも怒りの感情ってなんで沸いてくるのか?

感情の乱れ

 

「怒り:というのは、そもそも「危険から身を守る」という防御作用により湧いてくるものである。

「危険」というのは、身体に害が及ぶこと、自尊心、名誉が傷つけられることであり、これらを守るために「怒りの感情」が必要だというわけです。

 

怒りをコントロールするアンガーマネジメント

「怒り」は、人体の均衡を保つために必要な感情ではありますが、ところかまわず出してしまっては、逆に日常生活において、よくない影響をもたらしてしまいます。

しかし、湧き上がってくる怒りの感情とは周知のとおり、そう簡単に抑え込めるものではありません。

それこそ、卓越した禅僧でもない限り、怒りをないモノとするなど不可能でしょう。

「アンガーマネジメント」とは、怒りの感情を押し殺して、ないモノとするのではなく、怒りの感情とうまく付き合っていこうとするマネジメント法。

 

アンガーマネジメントによるメリット

怒りをコントロールできないままでいると、些細なことでイライラしたり、我を忘れるほどの怒りがわいてしまう、すると思いもしない言動に走ってしまったり、仕事の生産性が落ちたりする。

そのため私生活においても、仕事においても「アンガーマネジメント」の必要性が高まっていると言える。

・仕事を効率的に進めることができる

・怒り任せな行動が減り、周囲からの信頼損失を防ぐ

・ストレスを抑え、最高のパフォーマンスを発揮できる

 

これらは、無意識にたまったストレスにより、失われている可能性がある。

 

怒りにより多くを失ったジダン

差し伸べる手

 

2006年ワールドカップ・ドイツ大会、イタリア対フランスの決勝戦において、フランス代表のジダン選手が、イタリア代表のマテラッツィ選手への、頭突きにより退場となった。

司令塔であるジダン選手を欠いたフランスはあえなく試合に敗れた。

「この一件さえなければ・・・」、そう思い返すサポーターも多い事だろう。

 

なぜジダン選手は我を忘れてしまったのか

この一件の真相について、様々な推察が行われたが、マテラッツィ選手から、ジダン選手へ侮辱的な発言があったのではというのが、大方の見解である。

実際、ジダン選手自身も試合後のインタビューにおいて「彼は非常に厳しく、耐え難い言葉を私にぶつけてきた・・・」とコメントしている。

先述した通り、「名誉が傷つけられるのを守る」行為が、「怒る」という行為なら、ジダン選手の「怒り」は至極当然のことであり、悪い事ではない。

しかし、侮辱行為に対する防衛、抗議の行動として、暴力で返すというのはフランス代表の司令塔としてあるまじき行為であります。

 

結果、多くを失った

ジダン選手はこの大会で現役引退を表明していたため、イタリア代表の「ガットゥーゾ選手」は、ジダン選手為に、引退セレモニーを計画していたという。

しかし、この一件により、計画は台無し。そして国際サッカー連盟からは7500スイス・・フランの罰金と3日間の社会奉仕活動処分。さらにパリのポンピドゥー・センター前には頭突きの瞬間wを再現した高さ5メートルの銅像が展示された。

数々の活躍を見せ、名実ともに世界最高峰のプレイヤーとして名を遺したジダン選手でしたが、怒りを制御できなかったこの一件により、多くの名誉を失い、世間からも厳しい非難を受ける結果となった。

怒りを制御できないということは、時として、今まで築き上げてきた多くのモノを一瞬にして失う可能性をもっている。

常にイライラを抱えている人は、いつどんなことをキッカケに、臨界点を突破し、我を忘れてしまうかもしれないという危険と隣り合わせともいえる。

怒りとは、それほどコントロールが難しく、気づいた時には後の祭りとなっている。

 

アンガーマネジメントにより怒りをコントロールする
夕日に照らされる親子

 

 怒りとは必ずわきあがるモノ

怒りとは必ずわきあがるモノであり、それを認めることが大事。

「自分自身の正しいと思う価値観や信念」を「コアビリーフ」と呼ぶが、このコアビリーフを脅かされることにより、怒りがわいてくると考えられています。

自分のなかで、「~するべき」「~するのは当然」という認識に対し、反する行動発言をする人に対してイライラを感じる。

つまり、相手の行動そのものではなく、自分の認識次第なのである。

それが、ひとつの事柄に対して、怒りを感じる人そうでない人、器が広い人、短気な人と分類される。

 

自分のコアビリーフをよく理解する

自分がイライラする原因を突き止め、改善していく事がアンガーマネジメントの第一歩となる。そのためには、自身のコアビリーフをよく理解し、なぜ怒りを感じたのか振り返ること。

 

・怒りを感じたキッカケ

・その時自分が起こした行動

・相手にどうしてほしかったのか

・自分はどう対処すべきだったのか

・怒ったことで起きた結果

 

相手のコアビリーフと、自身のコアビリーフの違いを認識すること。

それらを振り返り、自分のコアビリーフを広げていく事がアンガーマネジメントへとつながります。

 

それでも、やはりストレスはたまるモノ

そうはわかっていても、ストレスは蓄積されていくものです。ストレスとうまく付き合っていくことが成功のカギ。

 

心が安らぐもの

ストレスが和らぐものを生活に取り入れてみると、気持ちが軽くなります。

自分の好きな音楽を聴く、好きな香りのアロマ、お気に入りのものならなんでもかまいません。

または、緑色や青色のものはストレスを解放し、爽やかな気持ちをもたらします。張り詰めた気を解放し、頭痛や心のモヤモヤを取り払う効果があります。

 

怒りを感じたら深呼吸する。

日々生活していて、イラッと来る瞬間があります。そんな時は、いったん時間をおいて深呼吸しましょう。

自身のコアビリーフを理解し、怒りを感じるパターンがわかってくると、「あ、今イライラしてる・・・」と冷静に認識できるようになり、そのまま怒りの感情に任せて行動するのを抑えることができます。

 

発散の仕方を間違えない

ストレスが溜まっているからと、ヤケ食いしたり、ヤケ酒したり、夜更かししたり、それらは、一時のものでしかない上に、体調も崩しかねません。

結果、さらに怒りを増幅させやすい状況を作り出してしまう悪循環へと陥ります。

栄養バランスを考え、規則正しい生活を心がけましょう。

 

相手がイライラしているときは

自分ではなく、相手がイライラしているケースもある。無関係の人ならば放っておくということもできるが、仕事仲間、友人、取引先であれば、なんとか怒りをおさめる必要があります。

 

まずは冷静になる

怒っている人に対して、自分も怒ってしまっては収拾がつかなくなってしまう。感情に対し感情で返すのは止めましょう。

怒っている人は、我を失って、自分でも何に対して怒っているのかわからなくなっているパターンが多いです。まずは、自分だけでも冷静に事態の解決を心がけましょう。

 

何を言われても毅然とした態度で

我を忘れて怒っている人には、毅然とした態度で接すること。怒っている人というのは、普段よりも何倍ものスケールで言葉を放ってくるので、自分がそれに巻き込まれない様に。

そして、怒っている自分と同じ熱量で反応してほしいものです。それが通じないと分かれば相手の熱量も次第と落ちていきます。あまりに怒りの熱量がひどい場合は、いったんその場から離れるのも一つの手です。

相手が話し合いをできる状態まで怒りを鎮めることを優先しましょう。

 

イライラしている原因を知る

 切れやすい人の多くはパターンが決まっていて、大体がコミュニケーション不足により招いている。

何に対してイライラしているのか、パターンを見極め、事前に確認をとったり、逐一報告をしたり、適度にコミュニケーションをとることで防ぐことができます。

相手のイライラが募っていくサインを見逃さないようにしましょう。

 

最悪の場合相手にしない

結局のところ、人付き合いはお互いの気遣いがあって成り立つもの。こちらが怒りを抑え、いくら配慮したしたところで、分かり合えない人というのは必ずいます。

そういう人は、自分のコアビリーフと、相手のコアビリーフが完全にかみ合わなかったんだなとあきらめる必要もあるかもしれません。

あきらめることで逆に、冷静でいられるという場合もありますからね。

 

これからの世の中には必須なアンガーマネジメント

近年、怒り任せの行動によりニュースになる人や、事件を起こす人が多いように感じます。

あまりに豊かになった世の中が、そういった問題行動を引き起こすのかもしれません。

世の中が豊かで便利になったとしても、どう扱うか、生きていくかは個人次第です。

自分の感情をコントロールし、間違った方向へ発散するのではなく、自身の目標の為のエネルギーへ。

いつの時代においても変わらぬことではないでしょうか。

 

それではまた!!

 

 

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